ソウトメ タダシ   Sotome Tadashi
  五月女 肇志
   所属   二松学舎大学  文学部 国文学科
   二松学舎大学大学院  文学研究科 国文学専攻
   職種   教授
発表年月日 2015/12/19
発表テーマ 藤原定家の『洞院摂政家百首』における物語摂取歌
会議名 和歌文学会例会
学会区分 全国学会
発表形式 口頭(一般)
単独共同区分 単独
開催地名 慶應義塾大学
概要 『洞院摂政家百首』(『拾遺愚草』では『関白左大臣家百首』)は晩年の定家による百首歌として注目される。『新勅撰集』の撰者に任じられていた定家としては力を注いだ百首歌であり、評価の高い作品も生み出されている。その中の「雪」題の一首「誰ばかり山路を分けてとひくらんまだ夜はふかき雪のけしきに」は『源氏物語』総角巻で姉大君を亡くした中君の弔問に匂宮が雪の中を来訪したことを踏まえて詠んでいると『細流抄』で指摘されている。このことの是非について、同百首では『伊勢物語』の様々な章段の摂取歌が見られるので、それらの作品と比較して検討した。本百首における物語摂取に加えて、『京極中納言相語』の定家の言説を踏まえると、『源氏物語』の匂宮の来訪の場面を読者に想起させようとした一首であると結論づけた。