イトウ シンタロウ   Ito Shintaro
  伊藤 晋太郎
   所属   二松学舎大学  文学部 中国文学科
   二松学舎大学大学院  文学研究科 中国学専攻
   職種   教授
発表年月日 2022/02/12
発表テーマ 英雄・怨霊・神――三国志の関羽の場合
会議名 2021年度文学部シンポジウム「幽霊の歴史文化学―それはどこに宿るか」
主催者 二松学舎大学文学部
学会区分 研究会・シンポジウム等
発表形式 口頭(招待・特別)
単独共同区分 単独
国名 日本
開催地名 東京
開催期間 2022/02/12
概要 『三国志演義』において関羽は非業の死を遂げた後、真夜中に空中をわめきながら飛び回り、さらに仇である呂蒙や曹操に祟る。その所業は怨霊そのものといってよい。しかし、一方で関羽は後世に神格化されて「関帝」となり、現在でも中華圏で最も信仰を集める神といわれる。「関帝信仰」の文脈における関帝像は、『三国志演義』に見える怨霊のような関羽とは大きな懸隔がある。そこで本報告では、まず歴史上の関羽の生涯を確認してから、英雄である関羽が怨霊のように語り伝えられる段階を経て、どのように中華圏において上下を問わず信仰される神へと変遷していったのかを紹介した上で、関羽が神として崇拝されるに至った要因について検討し、非業の死を遂げて怨霊となった英雄が、後世に万民の信仰を集める神になった例の一つを示すこととしたい。