コンドウ ヨシタカ   KONDO YOSHITAKA
  近藤 良享
   所属   スポーツ健康学部
   職種   教授
発表年月日 2021/09/08
発表テーマ 検出不可能な経頭蓋直流刺激(tDCS)を用いたトレーニング法の問題性
会議名 日本体育・スポーツ・健康学会第71回大会
主催者 日本体育・スポーツ・健康学会
学会区分 全国学会
発表形式 口頭(一般)
単独共同区分 共同
国名 日本
開催地名 筑波大学
開催期間 2021/09/07~2021/09/09
発表者・共同発表者 近藤良享、戸田聡一郎、小田佳子、三浦裕
概要 ニューロフィードバックを用いる脳ドーピング(Brain-Doping)の科学的有効性、安全性は現在のところ実証されていない。だが現実には、Halo New Scienceなどの企業の主導によって、米スキー代表チーム、NFL候補選手、MLBチームなどがトレーニング法として採用し、たとえば、集中力を高めるための前頭前野(PC)や運動能力を向上させるために一次運動野(M1)、補足運動野(SMA)への刺激に利用していた。現状では一部の選手間で「根拠と安全性なきtDCS」が浸透しつつある。確かにtDCSは検出不可能で「出し抜こうとする」選手にとっては有望な『脳ドーピング』であっても、逆にパフォーマンスを低下させる可能性もある。たとえ
ばゴルフに要求されるプレー前のtDCS刺激を考えると、SMAへの刺激は運動の精緻さ、Coordinationを乱し、PCへの刺激は集中力やプレッシャーへの対応を乱す可能性がある。tDCSによるニューロフィードバック法を選手に実践することは、未熟で将来的に有害になる可能性が否定できない。物理的操作と言えるtDCSは今のWADAの禁止方法に含まれず、検出不可能な方法であることから、この技術がさらに選手間に普及し、技術自体の発展・改良される可能性がある。したがって、スポーツの健全性の観点からもドーピング規制(WADAのモニタリング監視)への議論を進める必要があると提言した。