ムラカミ トシキ   MURAKAMI TOSHIKI
  村上 寿来
   所属   現代社会学部
   職種   教授
言語種別 日本語
発行・発表の年月 1999/03
形態種別 研究論文(学術雑誌)
標題 ヘルダー・ドルナイヒの経済システム論-秩序理論の更なる展開の試み
執筆形態 単著
掲載誌名 六甲台論集
掲載区分国内
巻・号・頁 第46巻(第4号),119-137頁
概要 ヘルダー・ドルナイヒの経済システム理論の体系・論理構造を整理し、ドイツの秩序理論の流れに位置づけたうえで、彼による理論的展開について検討した。ヘルダー・ドルナイヒは秩序理論にシステム理論の手法を取り入れ、選挙・集団交渉といった新たな交換メカニズムを含んだ複数の制御メカニズムがさまざまに結合した「複合システム」として現代のさまざまな経済社会領域、とりわけ労働市場や医療システムを分析し、システムの「統御欠陥」という観点から独自の「社会的秩序政策」構想を展開した。彼は、新自由主義の「二元的秩序理論」に対して「多元的システム理論」を主張し、非市場領域への分析対象領域の拡張に加えて、政策構想上も、自由主義の立場に立ちながらも市場一元論の狭隘さを克服することを目指した。彼の非市場領域の分析は、ドイツにおける70年代以降の社会国家の危機という状況の中で大きな役割を果たしたといえる。