ツル ヒロユキ   TSURU HIROYUKI
  鶴 浩幸
   所属   鍼灸学部 鍼灸学科
   職種   特任准教授
発表年月日 2021/12/18
発表テーマ 子宮筋腫および前立腺炎の手術(エンボリゼーション)と鍼麻酔
会議名 第25回 日本統合医療学会 学術大会 京都大会
主催者 日本統合医療学会
学会区分 全国学会
発表形式 ポスター
単独共同区分 共同
国名 日本
開催地名 京都
開催期間 2021/12/18~2022/01/11
発表者・共同発表者 鶴浩幸,土屋光春,ジョアン・アルメイダ,マーチン・ピシコ
概要 【目的】ポルトガル・リスボンで行われていたポルトガル人を対象とした鍼麻酔(2006年-2019年)について紹介する。ポルトガルの麻酔科医である土屋光春を中心とするチームは、麻酔に対してアレルギーのある患者や心臓が悪い患者、麻酔が嫌いな患者に対する手術(子宮筋腫や前立腺炎に対するエンボリゼーション)のための鍼麻酔をポルトガル・リスボンにあるSaint Louis Hospitalから依頼された。本鍼麻酔法は土屋光春および放射線科医のMartins Piscoが考案した方法である。【方法】鍼麻酔の前段階の研究として、我々はサーモグラフィーを用いて、三陰交-三陰交の電気鍼刺激が下腹部の皮膚温を約2℃上昇させることを確認した。その後、我々は約80人の患者に対して足三里-三陰交の電気鍼刺激を行い、ピン・プリック・テストにより鍼麻酔が頭頂部からかかることを確認し、続いて下腹部にも鍼麻酔がかかっていることを確認した。また、鍼麻酔における足三里の鍼通電では腓骨神経を刺激し、三陰交では伏在神経を刺激することが重要であることがわかった。手術時の鍼麻酔は足三里と三陰交に対して20Hzの電気鍼刺激を行い、刺激に慣れてきたと思われる時点で3Hzと15Hzの間欠刺激を行った。【結果】2時間以上かかる前立腺炎に対するエンボリゼーション(塞栓術)や子宮筋腫に対するエンボリゼーションのための鍼麻酔に我々は世界で初めて成功した(2015年)。また、我々はSaint Louis Hospitalにおいて100名以上の患者の上記手術に対する鍼麻酔に成功した。【結論】1. 鍼麻酔はエンボリゼーションに適用することができた。2. 鍼麻酔は術後からの患者の迅速な回復を提供する。患者は局所麻酔では術後から回復するのに約1週間かかるが、鍼麻酔では術後から約3日で回復する。3. 鍼麻酔は術中における患者の腹痛や吐き気を抑えることができる。