ムラカワ マスヨ   MURAKAWA MASUYO
  村川 増代
   所属   保健医療学部 救急救命学科
   職種   講師
言語種別 日本語
発行・発表の年月 2023/03/30
形態種別 研究論文
査読 査読あり
標題 低圧環境における長時間運動時の発揮パワーと生理応答 [原著論文]
執筆形態 共著
掲載誌名 人間健康研究科論集
掲載区分国内
巻・号・頁 6,1-12頁
著者・共著者 金谷和幸, 村川増代,河端隆志
概要 高地という低圧低酸素環境への急性暴露は運動時の最大酸素摂取量(VO₂max)の低下、運動パフォーマンスの低下を引き起こす。本研究では低圧環境下において長時間運動時の発揮パワーの維持及び低下に対する呼吸・心臓循環器系機能および体温調節機能の影響を検討することを目的とした。被験者は成人7名(男性3名、女性4名)で常圧環境(標高0m)、低圧環境(標高3000m相当)2種類の環境下で60%VO₂maxの運動強度で50分間の自転車運動を実施した。運動中はペダルの回転数を60rpmに維持するように指示し、60rpm時に60%VO₂maxの負荷になるようにギアを設定し、運動時の発揮パワーを測定した。発揮パワーは低圧環境において運動開始40分(常圧環境:114±11W、低圧環境:105±8W)より常圧環境と比較して有意な低下がみられた(p<0.05)。心拍数は安静時から運動終了時まで低圧環境で有意に高値を示した。1回心拍出量では運動開始5分より(常圧環境:115±0ml、低圧環境:104±0ml)、有意な減少がみとめられた(p<0.05)。食道温においては有意な差は見られなかった。呼吸器系では分時換気量が運動開始10分後(常圧環境:53±7l/min、低圧環境:66±9l/min)から運動終了時(常圧環境:56±9l/min、低圧環境:64±10l/min)まで有意な増加がみられた(p<0.05)。これらのことから低圧環境では、常圧環境と同等の負荷の運動は呼吸・心臓循環器系への負荷が大きくかかり、自転車運動でのパワー発揮を落として、被験者が絶対負荷を下げたことが示唆された。