ヤマモト ヨシハル
  山本 喜晴
   所属   心理学部 心理学科
   職種   准教授
言語種別 日本語
発行・発表の年月 2011/07
形態種別 学位論文
標題 「境界」としての身体に関する心理臨床学的研究
執筆形態 単著
出版社・発行元 京都大学大学院教育学研究科臨床教育学専攻
巻・号・頁 201頁
概要 身体に注意をむけると「体内と体外」「自己と他者」「性別」「生と死」など,相対立する様々な2概念についての意識が喚起されるが,本研究ではそれらの対立構造を「境界」と名付けて,「境界」としての身体について臨床心理学的観点から検討した。そして、①3次元の身体構造とは別のものとして自我を理解すること,②意識そのものとも生身の身体とも区別されるヴィジョンとしての境界あるいはヴィジョンの中にある境界に注目すること,の2点の重要性が導き出された。さらに、上代文学にみられるチマタを境界と捉える発想を援用し,①に②に取り組む際には,境界を線ではなく交点として理解することが有効なのではないか,という仮説に至った。
そして,筆者の心理臨床経験から浮かび上がる,身体表現,声,DNAという3つの素材に即して,この仮説を検証した。その結果、身体が記号化される今日の状況においても,自我を線や面としての境界とともに理解するのではなく、交点としてとらえ、記号化されたネットワークを縦横無尽に移動することではなく、交点としての自我に留まることによって,超越性としての「境界」が自我にもたらされることを示した。