タナカ エリ   Eri Tanaka
  田中 恵理
   所属   熊本保健科学大学  保健科学部 共通教育センター
   熊本保健科学大学  保健科学部 医学検査学科
   職位   准教授
発表年月日 2022/10/22
発表テーマ (シンポジウム・ ワークショップ他) モリーの独白における身体表象の書き換え
会議名 日本英文学会九州支部第 75 回大会
主催者 日本英文学会九州支部
学会区分 地方学会
発表形式 シンポジウム・ワークショップ パネル(公募)
単独共同区分 単独
開催地名 西南学院大学
開催期間 2022/10/22~2022/10/23
発表者・共同発表者 新名桂子、岩下いずみ、安井誠、田中恵理
概要 シンポジウム第 1 部門「イギリス文学」『ユリシーズ』の何がすごいのか――革命性とヒューマニズム
1933 年ジョン・ウルジー(John Woolsey)判事によって『ユリシーズ』は猥褻な作品でないとの判決が下された。だが、The Most Dangerous Book: The Battle for James Joyce’s Ulysses で記されているように、ウルジーは第 18 挿話のモリー・ブルーム(Molly Bloom)の独白には最後まで懐疑的だったという(326)。現代において、第 18 挿話における身体や性の表現は問題にならないが、その理由として単に裁判の判決や時代の変化、世間の評価を挙げるのは短絡的であろう。フィジカルカルチャーや社会浄化運動が盛んだった当時、ジョイスが何を意図して身体的・性的に大胆な描写をモリーの独白で行ったのかを理解してこそ、本挿話が持つ内在的な芸術的力、ひいては『ユリシーズ』の革命性を理解できる。本発表では、第 18 挿話モリーの独白における女性の身体描写に注目し、それがヴィクトリア朝小説やポルノグラフィーが描く女性の身体表象を書き換えた革命性を担っていること、また女性の身体を描くことを通して女性の声に耳を傾けようとするジョイスのヒューマニズムも備えていることを示した。