オオマエ アキマサ   Akimasa Oomae
  大前 暁政
   所属   京都文教大学  こども教育学部 こども教育学科
   職種   教授
年度2015
科目名初等教科教育法(理科)
科目カテゴリー講義
履修者数履修者数51
教育活動の振り返り授業の概要: 本授業では,教科を教えていく上でどのようなことに気をつければ学習者の意欲を向上させ,知識と技能の習得に貢献できるかという理論と方法を教授する。特に,理科教育の教授に特化した授業を展開する。理科の指導法にはどのような理論があるのかを教え,複数の理論を比べながら違いを習得できるようにする。問題解決的な理科学習,先行学習,自由試行など,様々な指導理論を紹介する予定である。日本だけでなく,外国の理論も教授し,さらに最新の現場での実践も扱っていく。また,理科の授業展開をどう進めるかの理論と実践例も紹介し,現場で即役に立つ授業技術や技能にも習熟できるようにしていく。 

教育活動の振り返り:
毎回必ず理科実験と,大学教員による模範授業を取り入れ,学生が能動的に学ぶことができるためのアクティブラーニングを保障し,他大学にはない実践的な理科講義になったと考えられ,成果は学会発表などの形で報告された。2014年に実施した教職専門科目「理科」において,上記の7つの指導法の工夫がどの程度指導案に取り入れ,模擬授業で使えたかを学生へのアンケートで調べており,その結果と比べると,2015年度の方が,より7つ指導法の工夫を取り入れることができるようになったと考えられる。

教育活動の成果:
大学教員による模範授業を取り入れながら,「理科教育に関する理論と方法」を教授することで,学生の理科指導に関する知識や技能が向上することが推察される。ただし,ICTの活用については,ICT活用や作成の体験を増やすことが必要となると考えられる。
 大学教員による模範授業を体験することで,特徴的に,学習者視点からの授業の工夫に気付けることが推察され,より幅広い理科授業の工夫に気付ける可能性があると考えられる。講義の中で,大学教員の模範授業を何度も体験する中で,より理科授業の具体的なやり方を理解できたと考えられ,授業後にまとめさせていた講義の学びの中には,学生自身が学習者の視点になってとらえた工夫や,より細かな授業に関する工夫が挙げられていた。

今後の課題:
大学教員による模範授業には一定の効果があると推察されるものの,さらに「理教育に関する理論と方法」をより効果的に修得させるには,ICTの活用に代表されるように,「学生自身による体験の確保」も必要になってくると考えられる。模範授業と,学生自身が授業をつくったり,授業を行ったりする体験とを,どう取り入れればよいのかを今後も検討していく必要があると考えられる。また,様々な調査から明らかになっているように,現場教師の多くが,理科授業の指導法に関する知識や技能に苦手意識をもっており,現場での理科授業に困難さを抱えている現状を変えるには,例えば,大学と教育委員会などとの連携も必要になってくると考えられる。理科教育を進める上での,1年目に困らないだけの知識や技能は何かを明らかにし,それを確実に修得させる仕組みを考えることが必要になるだろう。