スズキ ノブオ   SUZUKI Nobuo
  鈴木 信夫
   所属   日本女子体育大学  体育学部 スポーツ科学科
   職種   特任教授
発表年月日 2011/12
発表テーマ 山岳棲昆虫スカシシリアゲモドキの形態的多型獲得における複雑な進化史(昆虫綱: シリアゲムシ目, シリアゲモドキ科)
会議名 中部山岳地域環境変動研究機構2011年度年次研究報告会
学会区分 研究会・シンポジウム等
発表形式 ポスター
単独共同区分 共同
開催地名 信州大学
発表者・共同発表者 鈴木智也、鈴木信夫、町田龍一郎、東城幸治
概要 山岳域広域に生息するシリアゲムシ目の昆虫、スカシシリアゲモドキ Panorpodes paradoxus (シリアゲモドキ科) は、体色やメスの翅の模様にたいへん多様なパターンがあることが知られている。さらに、日本の中部山岳域および青森県の個体群では、高標高域においてメスの翅が短くなる「短翅型」の存在が知られている。「短翅型」は翅の長さが以外にも、「長翅型」と多くの形態形質が異なることから、「短翅型」は別種である可能性も示唆されてきた。そこで、「長翅型」-「短翅型」個体群間に遺伝的な差異があるか遺伝子解析を行った。その結果、「長翅型」-「短翅型」がそれぞれ単系統群を構成することはなかった。また、同地域の「長翅型」と「短翅型」がそれぞれ別々に単系統を構成することはあるものの、同地域の「長翅型」と「短翅型」が単系統を構成することはなかった。
「短翅型」においては「長翅型」よりも体色が濃く、翅斑が多い傾向がみられること、これら派生的タイプは高標高域において認められることから、寒さや強風、強い紫外線などに対して適応的な種内「ecomorph」と言えるかも知れない。