タカハシ サオリ   Saori Takahashi
  高橋 さおり
   所属   こども学科 所属教員
   職種   准教授
言語種別 日本語
発行・発表の年月 2013/02
形態種別 学術論文
査読 査読あり
標題 心象の転移―泉鏡花「幻往来」論
執筆形態 単著
掲載誌名 国語国文研究
巻・号・頁 (第142号),44-56頁
概要 幽霊が出現する怪談話として位置づけられてきた「幻往来」について,幽霊をまなざす側の特異な主観性に注目しながら作品分析を行い,その特質を明らかにした。類似を根拠として周囲をまなざす橘は,自身の心象を次々に転移させていくことによって怪異を成立させている。一方で語り手「私」はそれを維持しつつ,時に揺るがす存在であり,怪異の成立に重要な役割を果たしていることが確認された。本作はのちに「車前草道士」と「廊下の君」の二作品に分離して発表されるが,それに伴って,橘の追い求める対象も分離しており,このことが「幻往来」と両作品との怪異の質の違いに深く関係していることを指摘した。