ハヤカワ マナミ
  早川 真奈美
   所属   看護学部
   職種   専任講師
言語種別 日本語
発行・発表の年月 2012/03
形態種別 研究論文(学術雑誌)
査読 査読あり
標題 臓器移植に関する倫理的諸問題-比較文化的視点から-
執筆形態 単著
掲載区分国内
出版社・発行元 武蔵野大学大学院
巻・号・頁 (1),113-126頁
概要 日本での臓器移植医療において、圧倒的にドナー数が不足している。その要因となっていると思われる日本人独特の死生観、宗教観、遺体観と、欧米諸国におけるキリスト教的・心身二元論的死生観と比較検討した。日本人の多くは仏教徒で、心身一如の思想があり、遺体観においては、五体満足の状態で葬りたい思いがある。一方欧米人の多くはキリスト教的思想であり、心身二元論が浸透している。身体は魂の器にすぎないという心身二元論では、根本的に死の捉え方が異なっていることが明らかとなった。さらに日本人は臓器提供をすれば遺体が五体満足ではなくなるため、家族が後悔や罪悪感を感じていることも明らかとなった。日本の医療の場において看護者は、日本人の死生観、宗教観をよく理解した上で、臓器提供を承諾したドナー家族の心情を理解し、臓器提供前からのグリーフケアを充実する必要性があるとの示唆を得た。