コウチ ヨシクニ   Yoshikuni Kochi
  河智 義邦
   所属   教育学部
   職種   教授
言語種別 日本語
発行・発表の年月 2011/07
形態種別 研究論文 
査読 査読あり
招待論文 招待あり
標題 往生思想の日本的受容と展開(二)―親鸞の「難思議往生」理解を中心に―
執筆形態 単著
掲載誌名 浅井成海編『日本浄土教の諸問題』
掲載区分国内
出版社・発行元 永田文昌堂
巻・号・頁 321-350頁
概要 9の論稿において、親鸞の往生思想の特色である即得往生説を考察し、現生正定聚の内実を多方面から検討した。それをうけて当論では、その二つめの課題として提出した親鸞の死後往生観を表現する「難思議往生」について、即得往生説との繋がり、伝統浄土教との対比、大乗仏教の原理との関連などを踏まえながら、その真意に迫ってみた。親鸞は臨終・命終時による往生を否定はしていない。しかしながら、命終による往生はそのまま「滅度に入る」「涅槃を証する」ことであって、そこで受ける身体は「自然虚無の身・無極の体」であり、さとりそのものとなる、といった大乗空義にもとづく往生理解を提示するのである。従来的な浄土往生説は「何が往生するのか」といった、素朴な疑問に答えることなく、輪廻転生的な転生論との相違が不明瞭であった。親鸞はその点を踏まえながら、浄土往生の本質を大乗仏教原理、智慧の用うえに明確にしていくのである。